エキシマ308(紫外線治療器)

308エキシマシステムとは

紫外線の「免疫の働きを調節する作用」を利用した治療方法で紫外線を出すランプを使用し皮疹に直接照射します。
308エキシマーシステムは紫外線の中でも308nmの波長のみを照射する最新の紫外線治療器です。従来の紫外線治療器が採用している波長よりも治療効果が高く、安全な紫外線の一つです。
・従来の光線治療と比べて、狭い範囲に高出力で治療に有効な光線を照射する事が可能となりました。そのため従来の大型の治療装置のように全身の健常な皮膚にまで紫外線を照射することがなく、より強い光だけを患部だけに安全かつ効果的に照射し治療することができます。

「308エキシマーシステム」の有効な疾患(例)

■保険適応の症状

紫外線療法は下記5つの疾患に対して効果が望めます。
下記疾患に共通していることは、明確な原因がまだ解明されておらず、自己免疫機能が異常を引き起こして症状を悪化させていることです。そのため、免疫機能の働きを抑制する紫外線をピンポイントで照射することで症状を和らげることが可能です。

    • ・尋常性乾癬(じんじょうせいかんせん)

尋常性乾癬とは皮膚が赤く盛りあがり、その上に乾燥した白い垢が厚く付着し、その白い垢がぽろぽろとはがれ落ちる皮膚の病気です。乾癬は、ウイルス、細菌、カビによるものではないので、人にうつる心配はありません。乾癬には、現在、完治する治療がなくアトピー性皮膚炎と同様で、長く付き合っていかなければなりません。すなわち、症状が良くなっている期間を長期間保つことが有効な治療法となります。

    • ・尋常性白斑(じんじょうせいはくはん)

尋常性白斑は皮膚の色を形成するメラノサイトが何らかの原因で減弱、もしくは消失することによって、白斑(色が抜けた斑点)が形成される病気です。手のひら、足の裏をのぞき、全身どこにでも発症する可能性があります。痛みなどはないですが、見た目による精神的な苦痛やストレスの原因になることが多い疾患です。

    • ・掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)

掌蹠膿疱症は、主として手掌や足底に、無菌性(細菌やかびなどが存在しないタイプ)の多数の膿疱(のうほう=黄色の液体を容れる小さな袋)が出没を繰り返すことを特徴とする疾患です。手足以外に膝やすね、頭などにも皮疹がみられることや、爪の変化や胸鎖関節痛を伴う場合があります。ウイルス等に感染して発症するわけではないため人にはうつりません。

    • ・アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎は、皮膚を守るためのバリアとなる機能が低下しており、様々な刺激で皮膚が反応し強いかゆみや、赤みのある発疹が出ることが特徴です。かゆみが強い場合に我慢ができなくなり、肌をかいてしまうことで更に症状が悪化するといった悪循環を生みやすく、治療には時間が必要な疾患です。

    • ・円形脱毛症

円形脱毛症とは、何の前触れもなく突然、髪の毛が抜け始める病気です。コインのように円く脱毛するのが基本ですが、部分的に大きく抜けることや頭髪以外の身体の毛が抜けることもあります。一般的に自覚症状がないため、家族からや髪の毛を切りに行った際に美容師さんに教えてもらうことなどで気付くこともあります。ストレスが原因だといわれていましたが関係性は薄く、近年では何らかの原因で自分の免疫システムが毛包を攻撃するようになり脱毛が起こると考えられています。

■保険適応外の症状

  • ・結節性痒疹(けっせつせいようしん)
  • ・異汗性湿疹(いかんせいしっしん)
  • ・扁平苔癬(へんぺいたいせん)
  • ・アミロイド苔癬(あみろいど たいせん)
  • ・環状肉芽腫(かんじょうにくげしゅ)
  • ・皮膚サルコイド
  • ・穿孔性皮膚症(せんこうせいひふしょう)など

■紫外線療法のよくある質問

Q照射後に痛みはありますか?
A個人差はありますがほとんど痛みはないといわれています。

Q照射部分が赤くなることはありますか?
A照射した部分は当日と翌日は赤くなりますが、徐々に馴染んでいきます。こちらも個人差がありますので、気になる方はお気軽にご相談ください。

Q自費診療ですか?
A保険適用の治療になっています。一般的な3割負担であれば1回の処置費用はおよそ1000円となっています。

Q通院回数は多いですか?
A週に1~2回照射していただくことで効果があらわれます。光線療法の治療は、症状により通院回数が異なりますのでしっかり計画を立てて治療を行っていきます。

Q紫外線療法を受けることができない方はいますか?
A光線過敏症のある方、皮膚悪性腫瘍の合併・既往のある方、免疫抑制剤内服または外用中の方は紫外線療法を受けることができません。