円形脱毛症

■円形脱毛症とは?

円形脱毛症とは、一般的に10円玉ぐらいの大きさの円形や楕円形の脱毛班が突然生じる疾患です。場合によっては、複数個所に脱毛班が発生するだけでなく頭部全体に広がるものや、眉毛やまつ毛、体毛などに及ぶ重度のものまであります。多くの場合、数カ月から1年程度で自然に治癒しますが、一度発毛しても再発する場合があります。

■円形脱毛症の原因

円形脱毛症が発症する原因は、まだ完全に解明されていませんが考えられる原因を以下にまとめます。

●自己免疫疾患

近年の研究で有力的な考えは自己免疫疾患の一種であるということです。本来であれば外部からの侵入物に対して攻撃を行い、私たちの体を守ってくれる免疫系機能に異常が発生し、毛根を異物と間違えて攻撃してしまうことで髪の毛が突然抜け落ちてしまうというものです。

●アトピー素因

アトピー素因とは、アトピー性皮膚炎などのアトピー性疾患を持っている人のことを指します。円形脱毛症の患者さんにおいて50%の方がアトピー素因を持っている、あるいは半数以上の方が本人もしくは家族にアトピー素因が認められているため、円形脱毛症の発症との関連性が高いと考えられています。

●精神的ストレス

昔から円形脱毛症の原因はストレスと言われていましたが、その理由としては慢性的なストレスを抱えていると交感神経に異常を起こすため、毛根への栄養補給が行き届かなくなることと、上記の自己免疫疾患を誘因する可能性があるからです。

●遺伝的要素

ある調査では、円形脱毛症患者さんの約8.4%に同じ病気を抱えている家族がいると報告されています。一親等の発症率は、二等親以上の家族と比較して10倍になるという結果も出ています。円形脱毛症自体が遺伝するというわけではなく、上記のアトピー素因も遺伝が大きく関係しますので円形脱毛症になりやすい体質が遺伝することが大きな要因です。

●ホルモン値の変化

円形脱毛症になる直接的な原因ではなく、妊娠から出産、更年期におけるホルモンの減少も原因の一つとされています。特に女性で発症する方が多いとされています。

■円形脱毛症の種類と特長

円形脱毛症の初期症状で一番わかりやすいのは、抜け毛の増加です。それ以外では、爪の表面がでこぼこしたり溝ができたりする患者さんもいらっしゃいます。
円形脱毛症の種類は下記になります。

■円形脱毛症の治療

円形脱毛症の発症に気付いた際は、早めに皮膚科を受診することが大切です。脱毛箇所の大きさにもよりますが、早期に発見して治療することで治療期間を短くすることができます。また、治療には継続的な通院が必要になりますので早期に治療することが重要です。

当院の治療法

内服薬と外用薬による治療

一般的には、アトピー素因を持つ患者さんに対して抗アレルギー薬を内服することや、ステロイド外用薬を患部に塗ることで免疫機能を抑えることができます。

紫外線療法

当院ではエキシマライトという308nmの波長を照射できる紫外線治療機を導入しています。紫外線療法で使用する波長は、人体に影響を及ぼしにくい範囲での紫外線を患部に対して継続的に照射していきます。紫外線を照射する際に肌質や症状、範囲によってヒリヒリとした感触はありますが、ほぼ痛みはありません。紫外線は免疫機能を抑える働きがありますので円形脱毛症には効果の高い治療選択肢になります。
照射する時間は数分で終わりますが、継続的な治療が必要です。保険適応の治療ですので気になる方はお気軽にご相談ください。
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