更年期前後になると「急にシミが増えた」「以前より濃くなった気がする」と感じる方が少なくありません。
これは加齢だけでなく、ホルモンバランスの変化やストレスなど、さまざまな要因が重なって起こります。
目次
更年期にシミが増えやすい理由

更年期は、女性ホルモン(特にエストロゲン)の分泌が急激に変動・低下していく時期です。
エストロゲンは肌のハリやうるおいだけでなく、メラニン産生にも間接的に関わっており、バランスが乱れることでシミやくすみが目立ちやすくなります。
また、
– 長年の紫外線ダメージの「蓄積」が表面化しやすい年齢である
– 睡眠不足・ストレス・自律神経の乱れによってターンオーバーが乱れやすい
– 乾燥によるバリア機能低下で炎症が起こりやすく、色素沈着が残りやすい
といった要因も重なり、「増えた」「濃くなった」と感じやすくなります。
更年期に出やすい代表的なシミ
更年期前後は、以下のようなシミが目立ちやすくなります。
– 老人性色素斑(いわゆる典型的な“シミ”)
長年の紫外線ダメージが蓄積して、頬・こめかみ・手の甲などにくっきり現れる茶色いシミ。
– 肝斑
頬骨のあたりを中心に左右対称にもやっと広がるシミ。ホルモンバランスの変化や摩擦、紫外線、ストレスなどが関与すると考えられています。
– 炎症後色素沈着
ニキビ・湿疹・かぶれ・掻きこわし・マスク擦れなど、炎症が起きた跡に残る茶色〜グレーのシミ。
これらは見た目が似ていても、治療法や注意点が異なるため、自己判断で強い美白剤を使ったり、ピーリングをやりすぎたりするのは危険です。
皮膚科でできるシミ対策

1. 正確な診断とスキンケアの見直し
まず大切なのは、「何のシミか」を皮膚科で診断してもらうことです。
診察では、
– シミの種類・分布・濃さ
– 肌質(乾燥・敏感肌・アトピー素因など)
– 日焼け歴やスキンケア習慣、摩擦の有無
などを確認し、必要に応じてダーモスコピーなどで詳細にチェックします。
そのうえで、
– 過度な洗顔・摩擦の是正
– 刺激の少ない保湿ケアへの切り替え
– 紫外線対策の徹底(PA値重視・日焼け止めの塗り直し など)
といった「土台づくり」から整えていきます。
2. 美白外用剤・内服治療
シミのタイプに応じて、以下のような治療が検討されます。
– 美白外用剤
・ハイドロキノン、トレチノイン(医師の指導のもと)
・トラネキサム酸、ビタミンC誘導体、ナイアシンアミドなどを含む処方薬やドクターズコスメ
– 内服薬
・トラネキサム酸(肝斑に用いられることが多い)
・ビタミンC、ビタミンE、L-システインなどのシミ対策内服
特に肝斑は、強いレーザーで悪化することがあるため、まずは内服+外用+優しい施術(トーニングなど)を組み合わせるなど、慎重なアプローチが基本です。
3. レーザー・光治療
老人性色素斑やそばかすなど、はっきりとしたシミには、スポット照射レーザー(Qスイッチ・ピコレーザーなど)や光治療(IPL)を提案されることがあります。
ただし、更年期世代は肌の乾燥やバリア機能低下が背景にあることも多いため、
– 事前の保湿・炎症コントロール
– 治療後の徹底した紫外線対策・保湿
をセットで行うことが重要です。
更年期世代が気をつけたいセルフケアのポイント

ホルモンバランスを意識した生活習慣
ホルモンバランスそのものを自力でコントロールすることはできませんが、
– 質の良い睡眠をとる(深夜前に就寝、スマホ光を控える など)
– 適度な運動で血流と自律神経を整える
– ストレスをため込みすぎない工夫(趣味・リラックスタイム)
などは、肌のターンオーバーを整えるうえでプラスに働きます。
「擦らない」「攻めすぎない」ケアへ
– 強いゴシゴシ洗顔や、毎日のようなピーリング・スクラブはNG
– 肝斑や色素沈着を悪化させる原因になりやすい
– クレンジング・洗顔は「短時間・低刺激・ぬるま湯」ですすぎを徹底
更年期の肌はただでさえ不安定になりやすいため、「落とすケア」ほど穏やかに、「守るケア(保湿・UVケア)」を丁寧に行うことが大切です。
皮膚科に相談するときのポイント

更年期特有のシミ対策を相談するときは、次のような点も伝えると診療がスムーズになります。
– シミが気になり始めた時期と、増え方・広がり方
– 生理不順・更年期症状(ホットフラッシュ、不眠など)の有無
– 現在使っているスキンケア・サプリ・ホルモン関連薬
– 過去にレーザーやピーリングを受けた経験の有無と、そのときの反応
「更年期だから仕方ない」とあきらめる必要はなく、原因や肌状態に合った対策をとることで、シミを薄くしたり、これ以上増やさない工夫は十分に可能です。