「昔からあるほくろが最近大きくなった気がする」「顔のほくろが気になって人と話すときに視線が気になってしまう」
ほくろに関するお悩みは、見た目の印象だけでなく、実は皮膚の健康にも関わる重要なサインであることをご存じでしょうか。
ほくろの多くは心配のいらない良性のものですが、中には悪性黒色腫(メラノーマ)という皮膚がんが隠れているケースもあります。
ほくろ除去や悪性の心配で皮膚科をお探しの方は、ぜひ参考にしてください。
ほくろとは
ほくろの正式名称は「色素性母斑(しきそせいぼはん)」または「母斑細胞母斑」といい、メラニン色素を作り出す母斑細胞が皮膚の一部に集まってできた良性の腫瘍です。

誰の体にも数個〜数十個存在するごくありふれたもので、生まれつきあるものもあれば、思春期や紫外線を浴びる機会が多い時期に新しくできるものもあります。
ほくろの原因としては、母斑細胞ができる先天的な要因に加え、紫外線による刺激、皮膚への慢性的な摩擦、ホルモンバランスの変化などが関与すると考えられています。
症状としては、茶色〜黒色の平坦または盛り上がった斑点として現れ、多くは数mm程度の大きさで、時間の経過とともにゆっくりと変化することがあります。
ほくろそのものは基本的に無症状で、健康上のリスクがないケースがほとんどです。
しかし、「変化のないほくろ」と「悪性の可能性があるほくろ」を自己判断のみで見分けることは非常に難しく、放置した場合のリスクとして最も注意すべきは、皮膚がんの一種である悪性黒色腫(メラノーマ)を良性のほくろと誤認してしまうことです。
悪性黒色腫は進行が速く、リンパ節や他の臓器へ転移しやすい性質を持つため、発見が遅れるほど治療の選択肢が狭まり、生命に関わるリスクが高まります。
国立がん研究センターの全国がん登録データに基づく「がん統計」でも、皮膚がんは早期発見・早期治療によって5年相対生存率が大きく向上することが示されており、少しでも気になるほくろがあれば自己判断で放置せず、皮膚科専門医の診察を受けることが重要です。
悪性の見極め
良性のほくろと悪性黒色腫(メラノーマ)を見分ける国際的な指標として広く使われているのが「ABCDEルール」です。
A(Asymmetry:非対称性) 形が左右対称でなく、いびつな形をしている
B(Border:境界) 輪郭がギザギザしていたり、境界がぼやけていたりする
C(Color:色調) 一つのほくろの中に茶色、黒、赤、青など複数の色が混在している
D(Diameter:直径) 直径が6mm以上と大きい
E(Evolving:変化) 大きさ、形、色、高さなどが数週間〜数か月単位で変化している
これらの項目に複数該当する場合や、出血・かゆみ・痛みを伴う場合は、悪性黒色腫の可能性を考慮した精密な診察が必要です。
特に日本人の悪性黒色腫は、欧米人と異なり足の裏や手のひら、爪の下といった紫外線の影響を受けにくい部位に発生しやすいという特徴があり、こうした部位のほくろは見落とされがちなため注意が必要です。
悪性が疑われる場合、当院ではダーモスコピー(拡大鏡による皮膚表面観察)による詳細な診察を行い、必要に応じて病理検査(生検)による確定診断へとつなげます。

なお、悪性黒色腫の疑いがある場合の診察・検査・摘出手術は保険診療の対象となります。
「ほくろが気になるけれど、悪性かどうか自分では判断できない」という段階でも問題ありませんので、まずは専門医による診察を受けることをおすすめします。
ほくろのCO2レーザー治療
CO2レーザー治療は、レーザーの熱エネルギーでほくろの組織を少しずつ蒸散させて除去する治療法で、当院では美容目的のほくろ除去として自由診療(自費診療)でご提供しています。
CO2レーザー治療のメリット
麻酔をしたうえで治療を行うため痛みを抑えられ、傷跡が比較的目立ちにくいこと、施術時間が短く日常生活への負担が少ないことが挙げられます。
顔や手など、目立つ部位のほくろ除去に適した治療法です。

CO2レーザー治療のデメリット
自由診療のため保険が適用されず、費用は全額自己負担となります。
また、ほくろの深さや大きさによっては1回の照射で完全に除去しきれず、複数回の通院が必要になる場合があります。レーザーで組織を蒸散させる性質上、治療後に一時的な赤みや色素沈着が生じることもあります。
なお、悪性の可能性が否定できないほくろについては、美容目的のレーザー治療ではなく、保険診療による外科的な摘出・病理検査を優先します。
レーザー治療は組織を蒸散させてしまうため、病理検査による正確な診断ができなくなる可能性があるためです。この見極めを的確に行うことこそが、皮膚科専門医によるほくろ診療の重要な役割といえます。
治療後の経過については、施術当日から数日は患部を清潔に保ち、テープなどで保護しながら過ごしていただきます。個人差はありますが、赤みが引くまで数週間、色素沈着が完全に落ち着くまで数か月程度かかることがあります。
この間の紫外線対策(日焼け止めの使用など)を徹底することで、色素沈着のリスクを抑えることができます。まれに再発(再度色素が浮き出てくる)することもあるため、経過観察のための通院をおすすめしています。
よくある質問
Q. ほくろは自然に消えることがありますか?
A. ほくろが自然に完全に消えることは基本的にありません。色が薄くなることはあっても、母斑細胞が残っている限り再び目立つようになる可能性があります。
Q. ほくろの除去は保険が使えますか?
A. 悪性の疑いがあり、診断・治療目的で摘出する場合は保険診療の対象となります。一方、見た目の改善を目的とするCO2レーザーでの除去は自由診療(自費)となります。
Q. 除去した後、傷跡は残りますか?
A. ほくろの大きさや深さ、除去方法によって異なりますが、CO2レーザーは比較的傷跡が目立ちにくい治療法です。ただし体質によっては赤みや色素沈着が一定期間残ることがあります。
台東区でほくろにお悩みの方へ
「このほくろ、大丈夫かな」という小さな違和感を放置せず、気になる方はまず皮膚科専門医にご相談ください。
つちやファミリークリニック浅草院では、台東区浅草にお住まい・お勤めの皆さまに向けて、悪性の可能性を丁寧に見極めたうえで、見た目のお悩みには自由診療によるCO2レーザー治療をご提供しています。
ほくろの診察・治療をご希望の方は、お気軽に当院までご相談・ご予約ください。