にきびの特徴・原因
にきびは、皮脂の分泌が増加し角質が厚くなることで毛穴が詰まる「白にきび」から始まり、これが進行すると毛穴内でアクネ菌が繁殖し「赤にきび(炎症性)」へと変化します。さらに悪化すると、膿を持った「黄にきび」や痛みを伴うしこり状のにきびになることもあります。
- 皮脂分泌の増加・ホルモンバランスの乱れ
- 毛穴の角質が厚くなり詰まる
- アクネ菌などの増殖
- ストレスや生活習慣の乱れ(寝不足や食生活など)
- 間違ったスキンケア・メイク落とし忘れ
部位による特徴
- 顔:もっとも多発。皮脂分泌や外的刺激、メイクの影響も
- 背中・胸・デコルテ・お尻:汗や摩擦、衣服とのこすれにより発症しやすい
当院のにきび保険診療
当院では、日本皮膚科学会のガイドラインに則り、保険適用の範囲内でにきび治療を行っています。にきびの種類や重症度、ご希望に応じて最適な治療法を選択します。まずは約3ヶ月を目安に治療を継続することをおすすめしています。
1. 毛穴の詰まりを抑える塗り薬
- ディフェリンゲル(アダパレン)
- ベピオ(過酸化ベンゾイル)
- エピデュオ(アダパレン+過酸化ベンゾイル配合)
- デュアック(クリンダマイシン+過酸化ベンゾイル配合)
これらは毛穴の角質をやわらかくし詰まりを改善します。使い始めは赤みやカサつきが出やすいため、塗り方や保湿の工夫などポイントも丁寧にご案内します。
2. 細菌(アクネ菌)を抑える塗り薬
- ダラシン(クリンダマイシン)
- アクアチム(ナジフロキサシン)
- ゼビアックス
洗顔後、炎症を起こしている「赤にきび」に直接塗布します。改善後は外用薬を適切に組み合わせて、再発防止や薬剤耐性を予防します。
3. 抗菌薬や漢方などの内服薬
- ミノマイシン(ミノサイクリン)
- ビブラマイシン(ドキシサイクリン)
- 炎症が強い場合、ガイドラインに沿って抗生物質を短期間内服。それでも改善しきれないときは、体質や症状によって漢方薬などを併用することもあります。
4. 生活指導・スキンケア指導
- 洗顔・保湿の方法のアドバイス
- 必要な場合は低刺激性化粧品のご提案
- 栄養・睡眠・ストレスバランスの見直しアドバイス
保険診療で対応できる範囲
- 白にきび、赤にきび等の炎症性にきびに対する治療
- 背中や胸など全身のにきびへの外用・内服治療
- スキンケアや生活習慣の見直し
※にきび跡(凸凹やシミ、赤み)の治療は保険適用外です。
どうしてもお悩みの場合は美容皮膚科の診療(自費)をご案内しています。
受診の目安
- にきびが繰り返しできる・重症化している
- 自己流の治療や市販薬では改善しない
- 痛み、腫れ、膿をもった強い炎症がある
- 生活やメンタルに支障を感じている
- 薬の使い方やスキンケアで不安や疑問がある
一人で悩まず、気軽にご相談ください。保険診療でできる範囲の治療を丁寧にご提案します。にきびの悩みを早めに医療機関で相談することで、悪化やにきび跡を防ぐことにもつながります。