水虫は日本人の6人に1人が罹患しているとされる非常にありふれた皮膚疾患ですが、「恥ずかしい」「そのうち治るだろう」と考えて市販薬だけで済ませ、なかなか根治できずに悩んでいる方が少なくありません。
当院では、正確な検査に基づいた水虫治療を行い、再発しにくい状態を目指すことを大切にしています。
水虫とは
水虫(足白癬)は、白癬菌というカビ(真菌)の一種が足の皮膚に感染することで起こる疾患です。
日本臨床皮膚科医会が2023年に実施した大規模疫学調査「Foot Check 2023」によれば、皮膚科を受診した患者のうち足白癬の潜在罹患率は13.7%、爪白癬は7.9%、いずれかに罹患している人は16.6%、つまり日本人のおよそ6人に1人が水虫を抱えていることが明らかになっています。

水虫の主な症状タイプ
水虫には大きく分けて3つのタイプがあります。
足の指の間の皮がふやけて白くなったり、皮がむけたりする「趾間型」、足の裏や側面に小さな水ぶくれができ強いかゆみを伴う「小水疱型」、かゆみは少ないものの足の裏全体の角質が厚く硬くなる「角質増殖型」です。
さらに爪に感染すると「爪白癬」となり、爪が白色や黄色に濁って厚く変形します。

水虫は症状の出方が人によって大きく異なるため、自己判断だけでは湿疹や汗疱などの他の皮膚疾患と見分けがつきにくいのが実情です。
水虫を放置した場合のリスク
「たいしたことはないだろう」と水虫を放置してしまうと、白癬菌は角質層の奥深くまで広がり、治療が長期化しやすくなります。
特に爪白癬にまで進行すると、外用薬が浸透しにくくなるため内服治療が必要になるケースが増えます。
また、水虫を放置することで家族内感染や、体部白癬(いんきんたむしなど)への感染部位拡大のリスクも高まります。
免疫力が低下している方や糖尿病をお持ちの方では、白癬菌による皮膚のバリア機能低下が細菌感染(蜂窩織炎など)の入り口になることも報告されており、早期の受診が重要です。

水虫の原因
水虫の直接の原因は白癬菌というカビの一種で、高温多湿な環境を好み、皮膚の角質(ケラチン)を栄養源として増殖します。
靴の中は汗によって蒸れやすく、白癬菌にとって非常に増殖しやすい環境となるため、日本では靴を長時間履く生活習慣そのものが水虫の発症率を押し上げる一因になっていると考えられています。
水虫がうつる仕組み
水虫は感染している方の足から剥がれ落ちた皮膚片(角質)を介して、足ふきマット、スリッパ、床、靴下などを共有することでうつります。
白癬菌が皮膚に付着してから角質内に侵入するまでには一定の時間がかかるため、毎日の足洗浄を丁寧に行うことで感染を防げる可能性があります。
家庭内やスポーツジム、温泉施設などの共有スペースは特に感染リスクが高い場所として知られています。
水虫になりやすい人の特徴
汗をかきやすい方、一日中同じ靴を履く仕事の方、ストッキングやブーツを着用する機会が多い方、高齢の方、糖尿病や末梢循環障害をお持ちの方、免疫抑制状態にある方などは、水虫を発症・悪化しやすい傾向があります。
また、一度水虫が治癒しても生活環境が変わらなければ再感染しやすいため、原因を正しく理解した上での予防と治療の両立が欠かせません。

水虫の治療
水虫治療でまず重要なのは、顕微鏡による直接鏡検で白癬菌の有無を確認する正確な診断です。見た目だけで水虫と判断して市販薬を使用しても、実際には湿疹や汗疱であるケースも多く、診断なしの自己治療が長引く原因になっています。
水虫の治療では症状の程度に応じて抗真菌外用薬(クリームや液剤)を1日1〜2回、症状が消えた後も1〜2か月程度継続して塗布する治療が基本となります。
爪白癬など外用薬が届きにくい場合は、テルビナフィンなどの内服抗真菌薬を数か月にわたって服用する治療も行われます。
水虫は自覚症状が消えても白癬菌が皮膚の奥に残っていることが多く、自己判断で治療を中断すると再発率が高くなります。
医師の指示通り治療を継続し、治癒判定の検査を受けることが重要です。また治療後も、靴下や靴の通気性を良くする、共有スリッパを避ける、足を洗った後はしっかり乾燥させるといった生活習慣の見直しが再発予防につながります。
よくある質問
Q. 水虫は自然に治りますか?
A.白癬菌は自然消失することはほとんどなく、放置すると悪化・慢性化しやすい疾患です。症状が軽いと感じても、早めに皮膚科を受診することをおすすめします。
Q. 市販の水虫薬と皮膚科の薬は何が違いますか?
A.市販薬にも抗真菌成分は含まれていますが、皮膚科では顕微鏡検査で白癬菌の有無や症状のタイプを確認した上で、症状に合わせた濃度・剤形の薬を処方できるため、より根治を目指しやすくなります。
Q. 家族にうつさないためにはどうすればよいですか?
A.バスマットやスリッパ、タオルの共有を避け、床はこまめに掃除することが有効です。治療中でも入浴自体は問題ありませんが、足を洗う順番を最後にするなどの工夫も効果的です。
Q. 爪水虫(爪白癬)の治療にはどれくらいの期間がかかりますか?
A.爪は伸びるスピードがゆっくりのため、内服治療でも爪全体が生え変わるまでに半年〜1年程度かかることが一般的です。根気強い治療継続が完治への鍵となります。
水虫でお悩みの方へ
水虫は「恥ずかしいから」「そのうち治るから」と我慢してしまいがちな疾患ですが、正確な検査と適切な治療によって根治を目指すことができます。
少しでも足のかゆみ、皮むけ、爪の変色が気になる方は、自己判断で市販薬を使い続ける前に、ぜひ台東区浅草の皮膚科「つちやファミリークリニック浅草院」までご相談ください。皮膚科専門医が丁寧に診療します。