アトピー性皮膚炎

一般皮膚科

アトピー性皮膚炎について

アトピー性皮膚炎は、かゆみを伴い、慢性に経過する湿疹を繰り返す皮膚疾患です。乳児から思春期、成人まで幅広い年齢で発症しますが、特にお子様の場合は時期や年齢により症状の出る部位や特徴が異なります。
当院では、患者さま一人ひとりの生活背景や年齢・症状に合わせて、丁寧な診断と治療を心がけています。

こんな症状の方におすすめの治療です

アトピー性皮膚炎の特長

アトピー性皮膚炎は「慢性・反復性の湿疹」を特徴とし、皮膚のバリア機能(外部刺激から守る働き)が弱く、乾燥やささいな刺激にも反応しやすくなっています。また、アレルギー体質・遺伝的要素や、周囲の環境、スキンケア不足などが発症や悪化の要因となることが多いのも特徴です。

年齢による主な症状の違い

  • 乳児:頭部・顔から始まり、体や手足にも湿疹・乾燥が広がります。
  • 幼児・学童:首や肘・膝の内側に赤みやかゆみが集中しやすい。
  • 成人:首、顔面や上半身、体幹に症状が現れることも多く、長年の繰り返しにより皮膚が分厚くなる場合もあります。

診断について

診断は、皮膚症状の経過や分布、家族歴をふまえた総合的な判断が必要です。一度の診察だけでは「アトピー性皮膚炎」と確定できない場合もあります。そのため、安心して定期的に受診し、かかりつけ医と経過をみることが大切です。

日常生活で気をつけたいこと

  • 毎日のスキンケア(清潔・保湿)を徹底する
  • 汗やホコリで悪化しやすいため、肌を清潔に保つ
  • 石鹸やシャンプーのすすぎ残しに注意する
  • 環境(埃、ダニ、乾燥など)の管理を心がける
  • 必要以上に食事制限はせず、原因となる食物を特定した場合のみ対応する

アトピー性皮膚炎の多くは複数の要因が関与し、特定の食べ物や環境のみが原因であることはまれです。体質や生活習慣に合わせて無理のない対策を提案します。

当院のアトピー性皮膚炎治療方針

1. スキンケアの徹底

  • 皮膚を清潔に保ち、こすらずに優しく洗う
  • 入浴後5分以内の保湿剤塗布を推奨
  • 乾燥やかゆみが強いときは、保湿の回数を増やす

2. 塗り薬・飲み薬による治療

  • 炎症が強い場合は、医師の指示に従い、ステロイド外用・タクロリムス外用薬等を適切に使用
  • かゆみが強い場合は抗ヒスタミン薬など内服も併用
  • 症状に合わせて薬を減量するタイミングや塗る量・回数も細かく指導

ステロイド外用薬について「副作用が心配」とのお声もありますが、医療機関の管理下で適切に使用すれば問題ありません。インターネット等で一部誤った情報が流れていますが、炎症を長引かせてしまう方がかえって色素沈着など他のリスクへ繋がります。

3. 紫外線療法(エキシマライト308等)

症状に合わせて、免疫をコントロールする紫外線治療器を保険適用でご案内できます。必要な場合はご提案します。

4. アレルギー検査の活用

症状やご希望に応じて血液検査(View39等)でアレルギー体質や原因物質の一部を調べることも可能です。ただし、検査だけですべての原因が特定できるわけではなく、きめ細かく生活や経過を伺いながら対応します。

受診の目安

  • かゆみや赤みが数週間以上続く・再発を繰り返す
  • 掻きこわしや出血、眠れないほどの症状がある
  • 薬を切るとすぐ悪化する・治療に不安がある
  • スキンケアや薬の使い方で困っている

当院では、年齢や生活背景を配慮した診療と、ご家庭で続けられる具体的なスキンケア・生活指導まで丁寧にサポートします。「ステロイドを減らしたい」「食物アレルギーが心配」など、どんな疑問もお気軽にご相談ください。

医師紹介

院長

土屋 佳奈
 KANA TSUCHIYA 

【専門】
日本皮膚科学会 / 日本皮膚科学会認定皮膚科専門医
【所属学会】
日本美容皮膚科学会 / 日本臨床皮膚科医会 / 日本抗加齢医学会 / 日本小児皮膚科学会