ホルモン治療

美容皮膚科

ホルモン治療薬(スピロノラクトン)とは

スピロノラクトンは、長年高血圧治療に用いられていたお薬で、非常に高い利尿効果があります。この利尿効果とは別に、男性ホルモン(アンドロゲン)の働きを抑える作用が認められており、この作用により大人ニキビを改善していきます。
服用にあたり、いくつかの注意点がありますが、ニキビに対する効果は非常に高く、服用の中止後もリバウンドが起きにくいと言われています。

こんな症状の方におすすめの治療です

ホルモン治療薬の適応となる方

  • 成人女性で大人ニキビにお悩みの方
  • 中程度の多毛を伴う方
  • 他のニキビ治療で効果が得られなかった方
  • ニキビが成人してから始まった、もしくは悪化した方
  • 顔面の皮脂分泌が多い方
  • あごから首にかけて炎症性のニキビがある方
  • 背中や胸など広範囲にニキビがある方
  • 月経不順がある方

服用できない方

  • 過去にスピロノラクトンで問題があった方
  • 無尿または急性腎不全の方
  • 高カリウム血症の方
  • アジソン病(副腎不全)の方
  • タクロリムス(商品名:プログラフ)
  • ミトタン(商品名:オペプリム)
  • エプレレノンセララを投与されている方
  • 心疾患や動脈硬化症のある方
  • 腎障害のある方
  • 減塩療法をされている方
  • 肝障害・肝腫瘍がある方
  • 妊娠中・授乳中の方

服用時の注意点

  • 不整脈・胸痛・全身倦怠感・脱力(電解質異常)・尿量減少・手足や顔のむくみ・頭痛(急性腎不全)などの症状が出現したら使用を中止し、受診してください。
  • 血圧が下がり、めまい・ふらつき等が現れることがありますので、車の運転や高所での作業、危険を伴う機械操作などには十分ご注意ください。
  • 無月経が続く場合があります。生理不順を起こさずに治療をご希望される場合は、低用量ピルとの併用をおすすめしていますので、一度医師にご相談ください。

考えられる副作用

◼︎一般的な副作用

乳房痛・低血圧・頻尿・生理不順・不正器出血・うつなど

◼︎重大な副作用

◎電解質異(高カリウム血症・低ナトリウム血症・代謝性アシドーシスなど)
・症状:不整脈・胸痛・全身倦怠感・脱力・吐き気など

◎急性腎不全
・症状:尿量減少・手足や顔のむくみ・頭痛など

◼︎皮膚科的な副作用

肝斑・多毛・発疹など

服用方法

  • 治療を始める前に、採血を行います。2週間後に受診して頂き、採血を行います。
  • 服用を開始する際のニキビの状態により、1日100mg(朝1錠 : 夕1錠)を目安にスタートします。新しくニキビができなくなってから4週間ほどしたら、服用量を減らしていきます。
    飲み始めから減量できるまでの期間は、およそ2~3ヶ月程度です。
  • 新しくニキビができなくなってから4週間ほどしたら、→100mg(朝1錠 : 夕1錠)→50mg(朝1錠のみ)→25mg(朝1錠のみ)と、1ヶ月を目安に徐々に減量していきます。

※初回の診察時に血液検査を受けて頂きます。

よくあるご質問

Q:薬を飲む時に気を付けることはありますか?
A:万が一、不整脈、動悸、胸痛、全身倦怠感、脱力感、尿量減少、手足や顔のむくみ、頭痛などの症状が出現したら使用を中止し、受診してください。
内服開始後、10~15日目頃から全身に赤い斑点が出現することがあります。
薬疹(薬アレルギー)ですので、ただちに内服を中止し受診して下さい。

Q:薬を飲み忘れた時はどうしたらいいですか?
A:次の服用分から1回分を内服してください。2回分を一度に飲まないでください。

Q:利尿剤ですが、尿に行く回数は増えませんか?
A:尿量・尿に行く回数とも増えないことがほとんどです。

医師紹介

院長

土屋 佳奈
 KANA TSUCHIYA 

【専門】
日本皮膚科学会 / 日本皮膚科学会認定皮膚科専門医
【所属学会】
日本美容皮膚科学会 / 日本臨床皮膚科医会 / 日本抗加齢医学会 / 日本小児皮膚科学会