ロアキュタン

美容皮膚科

ロアキュタンについて

ロアキュタン(主成分:イソトレチノイン)は、重症のニキビ・難治性のにきびに対して世界中で使われている内服治療薬です。特に日本国内でも近年注目が高まっており、従来の外用薬や抗生物質で改善しない場合に大きな効果が期待できます。高い治療効果がある一方で、副作用や管理の重要性も高いため、専門的な皮膚科での診断と経過観察が必須となります。

こんな症状の方におすすめの治療です

ロアキュタンの特長

皮膚のターンオーバーを早め、皮脂腺からの油性成分(皮脂)の分泌を抑え、細菌を減らして炎症を抑え、毛穴のつまりを開く飲み薬です。

  • 皮脂腺の活動を強力に抑える:皮脂分泌が減少し、にきび(毛穴の詰まり)の発生しにくい肌環境に改善します
  • アクネ菌(P. アクネス)を間接的に減少:炎症の原因菌の増殖しにくい状態になります
  • 抗炎症作用:既にできている赤にきびや膿にきびの改善促進
  • 高い持続性効果:治療終了後も長期間にきびができにくい状態を維持できるケースが多いです(約6~12ヶ月推移を観察します)

治療期間は通常4~6ヶ月間の服用が一般的です。また比較的早期から効果が出やすく、3ヶ月目には7~8割の方で明らかな改善効果が実感できます。

服用方法

  1. 飲む量や回数は、患者様の症状や体重にあわせて決まりますので、医師の指示に従ってください。
  2. 1日1回、必ず食後に服用してください。

※女性の方は必ず次の正常な月経が始まって2、3日目を過ぎるのを待ってから服用を開始してください。

主な副作用と注意点

  • 他者と共有しないようにしてください。
  • 投与期間中および投与終了後、女性は6か月間、男性は1か月間妊娠を必ず回避してください。
    妊娠中、またはロアキュタン(イソトレチノイン)を服用中に妊娠した場合、短期間のいかなる量であっても胎児に先天異常、流産、早産、死産の危険性が極めて高いためです。
  • 服用中および最終服用後6ヵ月間は献血をしないようにしてください。
    血液は妊婦に使用される可能性があり、胎児がロアキュタン(イソトレチノイン)に曝露する可能性があるためです。
  • 効果が現れるまで、最初の数週間は逆に症状が悪化することがありますが、2-3ケ月継続することでニキビの改善が見られます。再発を防ぐためには、改善してからも継続する必要があります。1クールの治療は、約16-20週間になります。2クール目を希望される場合には、少なくとも2ケ月の休薬が必要です。
  • のみ忘れてしまった場合は、次の服用時間になってから通常の量を服用してください。服用し忘れた分があっても、2回分以上を一度に服用しないでください。
  • 服用中は日焼けしやすくなるため、日焼け止め外用、長時間に渡る紫外線または日光照射を避けてください。
  • 服用中は皮膚が過敏になるため、フェイシャルピーリング等をするときは必ず主治医にご相談ください。

重大な副作用

ロアキュタン(イソトレチノイン)を服用することにより、以下のような副作用を生じることがございます。

多くが服用の中止により改善します。

  • 妊娠中:胎児の先天異常、奇形、流産、早産、死産
  • 皮膚症状:治療初期にニキビの一過性増悪(かゆみ、赤み等)唇、口の中、鼻の粘膜、眼、皮膚の乾燥、脱毛
  • 精神神経系:鬱、精神病(幻覚、幻聴)、自傷行為などの重大な精神疾患
  • 器官障害:肝疾患、腸疾患、筋骨格症状(定期的な採血が必要です。)聴覚障害(聞こえにくさ、耳鳴り等)、視覚障害(角膜混濁、夜間視力低下等)
  • その他:めまい、頭痛、嘔気、嘔吐、倦怠感、疲労

禁忌

妊娠中、授乳中、妊娠可能性、妊娠予定がある方女性は15歳未満、男性は18歳未満の方、成長期で身長が伸びている方は使用出来ません。

服用にあたり必要な検査

定期的な採血が必要となります。服用前と服用後、長期服用中の値を比較し、数値が悪化した場合は服用を中止する場合もございます。

よくあるご質問(Q&A)

Q:保険適用ですか?
A:国内では保険適用外(自費診療)となります。薬剤は原則として海外からの輸入となります。

Q:効果がなかった場合も服用を続けてもいいですか?
A:効果が得られない場合や副作用が出た場合は、すぐに医師にご相談ください。自己判断での継続・中断は避けてください。

Q:どんな人が飲めませんか?
A:妊娠中または妊娠希望のある方、授乳中、小児・高齢者、重い肝障害やうつ症状が強い方は服用できません。

Q:他の治療や薬と併用できますか?
A:ビタミンA製剤やテトラサイクリン系抗生物質、強い血液サラサラ薬、抗てんかん薬など一部併用不可の薬があります。

受診の目安

  • 重症にきび・多発する化膿性にきびが治りにくい
  • 外用・内服治療でも改善しない、長期再発を繰り返す方
  • 顔だけでなく背中・胸・体のにきびで大きく悩んでいる
  • 薬の安全性や副作用管理を皮膚科専門医にしっかり管理してほしい方

ロアキュタンは医師の厳密な管理下で正しく使用することで、今まで改善しなかった難治性ニキビにも非常に高い効果が期待できます。ご希望やご不安がある方は、まずはカウンセリングで医師にご相談ください。

医師紹介

院長

土屋 佳奈
 KANA TSUCHIYA 

【専門】
日本皮膚科学会 / 日本皮膚科学会認定皮膚科専門医
【所属学会】
日本美容皮膚科学会 / 日本臨床皮膚科医会 / 日本抗加齢医学会 / 日本小児皮膚科学会