帯状疱疹の特長
帯状疱疹はウイルスが神経に沿って活動し、皮膚に強い痛みと発疹を伴うのが特徴です。最も多いのは体幹部や顔面で、まれに目や耳、頭部に症状が及ぶと重い合併症を引き起こすこともあります。皮膚症状が治まっても、神経のダメージにより「帯状疱疹後神経痛」と呼ばれる慢性的な痛みが数ヶ月〜数年以上残る場合があります。
発症から治癒までの経過
- 初期症状:ピリピリ・チクチクなど神経痛様の違和感や痛み
- 発疹出現:1~2日後に赤い斑点や水ぶくれが帯状に現れる
- 治癒:およそ2~3週間でかさぶたとなり治るが、痛みだけ残ることもある
主な合併症
- 帯状疱疹後神経痛(治癒後も残るつらい神経痛、特に高齢者で多い)
- 顔面・頭部の場合:視力障害、顔面神経麻痺、耳鳴り、めまいなどの神経症状
当院での帯状疱疹の検査・治療方針
1. 抗ウイルス薬による早期治療
- バラシクロビル(バルトレックス)、ファムシクロビル(ファムビル)、アメナリーフなどの抗ウイルス薬を内服・点滴で投与し、ウイルスの増殖を抑え急性期の進行・合併症リスクを軽減します。
- 症状が強い方・高齢者・顔面や目・耳に発症した場合は、より専門的な連携治療や点滴投与をご案内します。
2. 痛みに対する治療
- アセトアミノフェンやNSAIDsなど一般的な鎮痛剤のほか、神経障害性疼痛に有効なプレガバリン内服なども活用します。
- 慢性化を防ぐため早期から痛みのコントロールにも努めます。
3. 日常生活へのアドバイスとサポート
- 十分な休養と栄養バランスのよい食事を心掛ける
- 患部を清潔に保ち、刺激しないよう注意
- 水ぶくれなど皮膚症状を強くこすらない
症状や部位によっては適切なタイミングで皮膚科専門医・神経内科などの連携治療もご紹介します。
帯状疱疹の予防・ワクチン接種
50歳以上の方には、帯状疱疹予防ワクチンの接種も推奨されています。免疫力を高め、発症や重症化・神経痛のリスクを減らす効果が確認されています。
帯状疱疹ワクチンの助成が始まりました
令和5年8月1日から帯状疱疹ワクチンの接種費用の一部助成が開始されました。
台東区に住民登録があり、接種日時点で50歳以上の方が対象になります。
助成を受けるには、区発行の予診票が必要となりますので下記URLから予診票の申請をしていただき、クリニックまで必ずご持参いただくようお願い致します。
※以前に帯状疱疹に罹患された方も助成を受けることが出来ます。接種の必要性やタイミングについては、一人ひとり異なりますので、あらかじめかかりつけ医等にご相談ください。
※助成を受けられるのは、生涯で1度限りです。
▶︎台東区帯状疱疹ワクチン接種費用の助成についてはこちら
受診の目安
- 体の片側にピリピリ・ヒリヒリする痛みや発疹が現れた
- 痛みが強い、または発疹が顔や目・耳などに現れた
- 糖尿病や免疫低下状態、治療中の持病がある方
- 皮膚症状が治っても強い痛みが続く場合
帯状疱疹は早期治療が最も重要です。皮膚症状や神経痛が気になる場合は、お早めにご相談ください。痛みや不快な症状、生活への不安を少しでも早く和らげることが私たちの役割です。