帯状疱疹

■帯状疱疹ワクチンの助成が始まりました

令和5年8月1日から帯状疱疹ワクチンの接種費用の一部助成が開始されました。
台東区に住民登録があり、接種日時点で50歳以上の方が対象になります。
助成を受けるには、区発行の予診票が必要となりますので下記URLから予診票の申請をしていただき、クリニックまで必ずご持参いただくようお願い致します。
※以前に帯状疱疹に罹患された方も助成を受けることが出来ます。接種の必要性やタイミングについては、一人ひとり異なりますので、あらかじめかかりつけ医等にご相談ください。
※助成を受けられるのは、生涯で1度限りです。
▼台東区帯状疱疹ワクチン接種費用の助成についてはコチラ

■帯状疱疹とは

帯状疱疹とは、子どもの頃に感染した水ぼうそうと同じ「水痘・帯状疱疹ウイルス」によって発症します。多くの方が子どもの頃に水ぼうそうを経験するかと思いますが、水ぼうそうが治癒した後も、ウイルスは神経の根元にある神経節に潜伏しています。
潜伏している水痘・帯状疱疹ウイルスは、普段は抗体によって抑え込まれているのですが、病気や疲労、ストレスによって免疫力が下がると再度活性化して、知覚神経に沿って肌表面に痛みを伴う水疱を作ります。免疫力が下がっていく高齢者に比較的多い疾患で、80歳までに約3人に1人が帯状疱疹を発症すると言われています。
日本人成人の90%以上は、水痘・帯状疱疹ウイルスが体内に潜伏しているため多くの方で発症する可能性がある疾患です。

■帯状疱疹の特徴と症状

帯状疱疹の特徴として、脇の下から胸部、腹部にかけてや、額からまぶた、鼻にかけて症状が出やすいとされており、体の左右どちらか一方に帯状になって症状が出ることが特徴です。また、症状はピリピリするような痛みや違和感、軽い発熱などの症状が起きた後に、赤みを帯びた小さな水疱の群れが現れます。ピリピリやズキズキ、チクチクとした痛みから焼けるような痛みまで様々です。服がこすれるだけでも痛みがあり、夜も眠れないといったこともありますので、早期発見と早期治療が大切です。

■帯状疱疹後神経痛とは

帯状疱疹の皮膚症状がおさまった後でも神経痛などの後遺症を生じる可能性があります。その後遺症のことを帯状疱疹後神経痛と呼び、日常生活を送るのも辛いといった状態が長く続く場合があります。帯状疱疹後神経痛の原因としては下記2点が考えられています。

帯状疱疹の痛みが強く、その痛みを「痛みの記憶」として脳が記憶してしまい、生理的な痛みとして復元する。

・帯状疱疹を起こしたウイルスが神経に損傷や変性をもたらすことで痛みが生じる。

■帯状疱疹の治療

帯状疱疹ウイルスの増殖は皮膚症状が発症してから3日(72時間)でピークに達しますので、3日以内に早期治療をすることが重要です。
帯状疱疹の治療には抗ヘルペスウイルス薬という内服薬や点滴で治療をします。ウイルスの増殖を抑えることにより、急性期の皮膚症状や痛みなどをやわらげ、治るまでの期間を短縮できます。また、細菌による二次感染を防ぐための外用薬や痛みがひどい場合は鎮痛薬を用います。

■帯状疱疹は人にうつるのか?

帯状疱疹は人にうつることはありません。ただ、帯状疱疹の原因である水痘・帯状疱疹ウイルスがうつることはあります。そのため、帯状疱疹の方が使ったタオル類を家族で共有したりすることで、お子さまがいる場合は水ぼうそうを発症するリスクが高くなります。

■帯状疱疹と新型コロナウイルスの関係性

新型コロナウイルスが流行したことにより、帯状疱疹の患者さんも増えてきています。その要因としては下記が考えられます。

1)新型コロナ感染により、免疫細胞やその働きがダメージを受けた。

2)新型コロナワクチンにより、一時的に免疫力が低下した。

3)コロナ禍の心理ストレスにより、免疫力が低下した。

■帯状疱疹の予防

帯状疱疹になりにくい体づくりのためには、栄養バランスの取れた食事や、適度な運動、睡眠をきちんと取ることを心がけることが大切です。
50歳以上の方は、ワクチン接種で予防をすることも可能です。ワクチンを打てば必ず発症を抑えられるわけではありませんが、発症率を下げたり、発症しても症状を軽くしたり、帯状疱疹後の神経疼痛を軽減する効果が望めます。当院でもワクチン接種を行っていますので気になる方はご相談ください。ワクチン接種を受ける際は予約不要ですので体調の良い時にご来院ください。